「分裂」で誕生。ビットコインゴールドは問題アリ!?
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ビットコインゴールド(BTG)が誕生した理由
ビットコインの魅力の一つに中央集権ではなく、自律分散組織という考え方があります。
これは何を意味するかというと、政府のように信頼できるところが発行する通貨でなくても、トラストレス(第三者の信頼が必要ない)に価値の保存や送金ができるということです。
国によっては自国通貨であってもハイパーインフレ(紙幣の価値が急激に低くなること)が起こったり、偽札が出回ったり、政府が発行量を操作したりしています。もちろん「政府が発行量を操作すること」というのは、国民のためであることもあるので、一概にダメというわけではありませんが、ビットコインの場合管理者がいなくとも信頼できるところが魅力となっています。
ここで、昨日ビットコインは大きく分けてマーケット(取扱店舗など)、利用者、マイナー、技術者によって支えられているというお話をしましたが、その中のマイナーに焦点を当ててみたいと思います。
マイナーは「ビットコインの取引履歴を承認する人たちのことで、膨大な量の計算を行い、1番最初にその計算競争に勝った人に、12.5BTCとそのブロックに記録されている取引の手数料がもらえる仕組みになっています。」というお話をしたと思いますが、現在ビットコインの計算はものすごく難しくなっており、高度なコンピューターを使わなければマイニングできなくなっています。
そうなってしまうと、非常に少数の企業によりマイニングされることになり、「真の分散化とは言えない」ということから、マイニングのアルゴリズム(計算方法)を変更することで、世界中の人たちがマイニングできるようにしてさらなる分散化をすることで、信頼が上がるだろうというのが、今回ビットコインゴールドの分裂(ハードフォーク)を計画した人達の狙いです。
現在の発表では、11月1日から実際に流通をしたいようですが、もし配布される予定のビットコインゴールドが市場に受け入れられなければ価格は暴落し、システムを支えてくれると言ってもいいマイナーがマイニングをしてくれないので、現状はどうなるかはわかりません。